最近読んだ『TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術』が、ぐさっと刺さりました。
時代が変わってITツールが当たり前になり、コロナ禍で働き方が大きく変わった。時間や場所で縛る必要の薄い仕事も増えた。
それでも、私たちの評価軸はいまだに「何時間働いたか」ではありませんか?
21世紀も4分の1が過ぎたのに、未だに20世紀初頭の生産管理の発想で働かされている——この本はその違和感を言語化してくれます。
長時間労働→心身の不調→生産性低下、という負のスパイラル。個人の生産性が上がらなければ、チームも、組織も、国全体だって上がらない。
だからこそ、こう言えるんじゃないかな。
休むことは“仕事の妨げ”ではなく、“仕事の質を高めるために必要”なのだ、と。
感想
- 戦略的休息は投資になる:ただ「休む」ではない。質の高い、攻めの「休み」が深い集中と創造性を引き出す。
- 時間ではなくエネルギーを管理:仕事に費やした時間で管理すべきではない。仕事に対してエネルギーを集中的に投下し、しっかり休息してエネルギーを回復させる。この波をどうつくるか?
- 休息はチーム設計の一部:仕事はチームで進めるもの。だからこそ、個人の工夫に留めてはダメ。チーム全体として、質の高い休養を取れるようにしたい。

出典:photoAC
こういうところで思う存分休みたい・・・
休息も品質管理
システム開発などのオフィスワークはアウトプットの質と再現性が勝負。
にもかかわらず、未だに「残業時間」「稼働率」で語られがちです。
残業するメンバーを礼賛する上司、いませんか?本当にくだらないので降格してください。
残業しすぎの疲弊状態で作業すればするほど、品質は落ちて手戻りも増える。結果、かえって遅く、高く、雑になる。
つまり、休息は品質管理の一部。テストやレビューと同じくらい、最初からプロセスに組み込むべきものです。
PMPのタレント・トライアングルに当てはめてみた
この本、PMPのPDUにも繋がると思います。そこで、タレントトライアングルに当てはめて、自分ならこう行動するかなと考えてみました。
(Chat GPTに壁打ち協力してもらったのは内緒)
1) Ways of Working
- 休息前提の計画:プロジェクトのスコープとコストは「高品質な休息が確保できる前提」で引く。バッファはサボりじゃない。休むために必要なんです!
- ガバナンスの明文化:残業は本当に必要な時にすることや、会議の集中・分散ルール、繋がらない権利の確保などをチームの約束事にしよう。
2) Power Skills
- 休みやすい空気の設計:雑談のとき、なんだかんだ仕事のことばかり話してません?もっと楽しい話題(=休養につながるネタ)で盛り上がって、休みやすい空気を作りたい。
- 目的の共有:休むのは甘えじゃない。いい仕事をするためのものという、「休みの目的」をチームで共有する。
3) Business Acumen
- 事例で説得:メリハリある働き方で成果を出した企業の事例を「前例」として、偉い人の説得材料にする。だってあの人たち、前例踏襲好きじゃない?笑

出典:photoAC
まとめ:みんな休め。今すぐ休め。
休むことこそが、いい仕事につながります。また、心身を壊さずに働き続けることはサステナブルではありませんか?
しっかり休もう。休んでエネルギーを蓄えて、効率的に仕事をする。まずは個人として始めて、チーム、会社、社会全体へ広げていく。そうすれば、日本の「失われた何十年」シリーズも食い止められるのではないでしょうか?
だから、みんな休もう。今すぐ休もう!